環境に配慮した食品の見つけ方:エコラベルやQRコードをチェックしてみよう

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環境に配慮した食品の見つけ方
TET学生編集部 mm TET学生編集部 mm

普段、何気なくお買い物をしている時、ふとこんな疑問が浮かぶことはありませんか? 

「この野菜は、どんな環境で育てられたんだろう?」

 「このチョコレートは、どこの国で作られて、どのように運ばれてきたんだろう?」

目の前にある食品が「どこから来て、どう運ばれてきたのか」という背景(フードチェーン)を知ることは、実はとても大事なことです。なぜなら、その背景を知ることで初めて、私たちは「地球環境に負荷をかけない選択」ができるようになるからです。

「食べるものを選ぶだけで、本当に環境が変わるの?」と思うかもしれません。しかし、私たちの消費行動は、実は生産や流通のあり方を左右する「市場への投票(意思表示)」としての側面を持っています。

例えば、近隣地域で採れた食材を優先的に選べば、輸送距離が短縮され、移動に伴うガソリン消費やCO2排出の削減(フードマイレージの削減)に直接貢献できます。また、森林保全に配慮して作られたコーヒーを選ぶことは、遠い国の生態系を守るための確かな支援になります。

今回は、いつものお買い物の「基準」に新しく加えたい「環境に配慮した食品の見つけ方」について、一緒に学んでいきましょう!

見つけ方①:お買い物中の宝探し!「サステナブルな認証マーク」

忙しい日常のお買い物中に、全ての商品の背景を自分で詳しく調べるのは現実的ではありませんよね。そこで役立つのが、パッケージに記された「認証マーク(エコラベル)」です。

認証マークは、厳しい基準を持つ第三者機関が「これは環境や社会にしっかり配慮して作られた商品ですよ」と客観的に認めたことを意味します。今回はスーパーやコンビニで見つけたら、ぜひチェックしたい代表的な5つのマークをチェックしていきましょう。

有機JASマーク(オーガニック)

太陽と雲と植物をモチーフにしたマークです。農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、自然界の力で育てられた農産物や加工食品についています。土壌や水質を守ることに直結する、環境に優しい食品の代表格です。

有機JASマーク

例えば、エスビー食品の「有機ベビーリーフ」も、このマークを取得している製品の一つです。「有機ベビーリーフ」は、有機JAS認証を受けた農場で、種から大切に育てられた幼葉の中でも、一番最初に収穫される「一番摘み」のみを使用しています。

また、こうしたベビーリーフを同社の「ORGANIC SPICE」シリーズなどの他の有機製品と組み合わせることで、毎日の食卓を無理なくサステナブルに彩るライフスタイルも提案されています。

同社は、消費者の環境問題への危機意識の高まる中で、今後さらに有機食品の需要が高まるであろうと考え、その期待に答える製品開発・普及を行っているのです。

参考・画像出典:エスビー食品株式会社「有機JAS認証農場で育った「一番摘み」幼葉のみを使用「有機ベビーリーフ 小袋」9月26日リフレッシュ」

RSPO認証マーク

持続可能なパーム油製品の取引を促進するためのサプライチェーンモデルを通じて適切に調達されたパーム油(認証油)を製品に含む、またそのようなパーム油の生産に貢献・支援する製品につけられます。パーム油はカップ麺やお菓子など多くの加工食品に使われていますが、このマークを表示するためには、製品に含まれるパーム油由来成分の95%以上が認証油であることなど、非常に厳しい条件をクリアしなければなりません。

RSPO認証マーク

日本でなじみ深いカルビーグループでも、2022年9月から「ポテトチップス うすしお味」や「コンソメパンチ」などの主力商品のパッケージに、このマークの表示を開始しました。

ポテトチップスなどのフライ工程で年間約4万トンものパーム油を調達している同グループは、「2030年までに認証パーム油100%使用」という高い目標を掲げています。

現在は、認証油と非認証油が混合されつつも、認証農園から供給された数量がしっかりと保証される「マスバランス方式」という管理モデルを採用し、複雑な流通網の中でも透明性を確保する取り組みを進めています。

このように環境や人権に配慮した原材料を選び、パッケージに表示することで、消費者に安心を届けています。

参考・画像出典:カルビー株式会社「カルビーグループが主力商品へのRSPO認証マーク表示を開始」

国際フェアトレード認証ラベル

途上国の生産者に適正な賃金が支払われていることを示すマークですが、実は「農薬の厳しい制限」や「土壌・水資源の保護」など、環境を守るための厳しい基準もクリアしていることを表しています。コーヒーやチョコレートなどでよく見かけられます。

国際フェアトレード認証ラベル

私たちの身近な例として、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」では、「日常の買い物を通じて国際貢献をしたい」という消費者の声に応える形で、2004年のコーヒー発売を皮切りにフェアトレード商品の展開を続けてきました。

2021年には新たに紅茶でもこの認証を取得した商品を発売しており、中でも「オーガニック&フェアトレード セイロン ウバ紅茶」は、国内小売企業のプライベートブランドとして初めて、国際フェアトレード認証と有機JAS認証の「W認証」を取得した商品とのこと。現在では、紅茶、チョコレート、ジャムなどにもその輪が広がっており、産地から直輸入することで、誰もが手に取りやすい価格で「社会に良いもの」を選択できる環境が整えられています。

参考・画像出典:イオン株式会社「国際フェアトレード認証取得の「トップバリュ」紅茶を新発売」

MSC / ASC認証(水産エコラベル)

青い魚のマーク(MSC)は、持続可能な漁業によって獲られた「天然の水産資源」を、水色の魚のマーク(ASC)は環境や社会に配慮して育てられた「養殖業」を対象にしたエコラベルです。

水産エコラベル(MSC / ASC)

身近な例としては、イオン株式会社は、「限りある水産資源を守り、伝統的な魚食文化を未来へ残していく」という理念のもと、2006年から「持続可能な調達」の推進を目指してMSC認証商品の展開を開始しました。

2024年には、MSC「海のエコラベル」付き消費者向け製品の販売重量が大きかった小売企業として「MSCジャパン・アワード 2025」の小売部門を受賞しています。

そして現在では、たらこやししゃも、びんちょうまぐろといった食卓に身近な食材にも認証商品が広がっています。

参考・画像出典:イオン株式会社「8月22日から24日にMSC認証商品最大6品目を拡大販売」

レインフォレスト・アライアンス認証

緑色の「カエル」のマークが目印のこのマーク。森林の保護、気候変動への対策、そこに住む野生動物の保護などに配慮した農園で作られたことを示します。紅茶やバナナ、コーヒーなどのパッケージでよく見つけることができます。

レインフォレスト・アライアンス認証

紅茶飲料ブランドの「キリン 午後の紅茶」でも、この認証マークが付いた商品が展開されています。

2021年にリニューアルされた紙パックタイプの「ストレートティー」は、ブランドで初めてこのマークをパッケージに採用した商品です。キリングループは単に認証茶葉を買い取るだけでなく、2013年からスリランカの紅茶農園が認証を取得できるよう継続的に支援を行ってきました。その成果として、2020年末時点で93の大きな農園と120の小規模農園が認証を取得しており、2025年末までにはさらに10,000を超える小規模農園の支援を目指しています。

こうした認証農園の商品の展開を通じて、スリランカで持続可能な農業に向けて努力している農場の方々の現状や課題、そして、それらを解決するための「認証取得に向けたトレーニング」の必要性について、消費者に広く伝えています。

参考・画像出典:キリンホールディングス株式会社「「キリン 午後の紅茶 ストレートティー」250ml 紙パック(LLスリム)を8月3日(火)にリニューアル発売」

これらの認証マークを見つけることは、まるで宝探しのような面白さがあるだけでなく、自分の消費行動が地球にどんな良い影響を与えるかを考えるきっかけになりますね。

参考:

見つけ方②:スマホで作り手の想いを知る「食のストーリー」

最近、スーパーに並ぶ野菜やお肉のパッケージに「QRコード」がついているのを目にしませんか?実はこれ、単なるウェブサイトへのリンクではなく、私たちが納得して食材を選ぶための情報を引き出す手がかりになります。

顔が見える食品

具体的な例として有名なのが、イトーヨーカドーが展開している「顔が見える食品。」というシリーズです。この取り組みは、単に作り手の顔を表示するだけでなく、生産から流通までの情報をオープンにすることで、私たち消費者と生産者の距離を縮めることを目指しています。

例えば、あるレタスのQRコードを読み取ってみると、そこには産地の特徴栽培のこだわりが詳しく記されています。熊本県八代地区の温暖な気候を活かしながら、味と品質を向上させるために厳選した有機質肥料を使用していることや、他産地と提携して農薬の使用回数を減らすためのノウハウを取り入れていることなど、環境負荷を抑えるために農家さんが行っている具体的な努力を知ることができます。(参考:「顔が見える食品。」顔が見える野菜。レタス

また、別のフルーツトマトの例では、広大な農園でトマトの状態を毎日観察し、天気や温度に合わせてあげる水の量や肥料の濃度を1日単位で調整しているといった、緻密な管理の裏側まで公開されています。(参考:「顔が見える野菜。」顔が見える食品。フルーツトマト

こうした情報を購入前に確認できれば、単に「価格」だけで判断するのではなく、農薬を減らす工夫や土壌を守る取り組みを理解した上で、「環境への投資」という視点で商品を選ぶことができます。

さらに、サイト内には「レタスを鶏ガラやとんこつスープでしゃぶしゃぶする」といった食べ方や、「トマトを横にして厚めに輪切りにする」といった、その食材を知り尽くした生産者だからこそ知っている一番おいしい楽しみ方も紹介されています。このような実用的なヒントは、日々の調理をより楽しく、実りあるものにしてくれるはずです。

QRコードの先にあるのは、ただのデータではなく、「環境を大切にしながら美味しいものを届けたい」と願う生産者のストーリーです。その背景を知ってから食べるご飯は、単なる栄養補給から「価値のある体験」へと変わっていくはずです。

参考・画像出典:顔が見える食品。「顔が見える食品。の歩み」

日々のお買い物が環境保護につながる

「地球環境を守る」というと少し難しく聞こえますが、その第一歩は、実は私たちが日常的に買い物をするスーパーマーケットやコンビニの中にあります。

皆さんにとって、毎日の買い物は未来の環境を決める一つの「投票」のようなものです。

「今日はカエルのマークがついたコーヒーを選んでみようかな」

「このお野菜のQRコード、ちょっと読み取って生産者さんの顔を見てみよう」

そんな小さなアクションの積み重ねが、持続可能な食の未来を支える大きな力になります。自分の「おいしい」という感覚を大切にしながら、その裏側にあるストーリーにも、少しだけ目を向けてみませんか?